【人事管理】労働条件は電子メールで明示が可能に
1. 労働者が希望すれば電子メール等で明示ができる
労働基準法では、事業主は、労働契約を結ぶ際に、労働者へ労働条件を明示する義務があります。ではどんな方法で明示義務があるかというと、労働契約に期間など非常に重要な項目は、書面を交付しなければなりませんでした。しかし、2019年4月1日からは、電子メールやSNS、FAX等でも明示できるようになっています。
ただし、電子メール等で明示をするには、労働者自身がその方法を希望していることや、印刷や保存が可能な添付ファイルで送ること等、要件がありますので注意が必要です。
具体的には、労働条件を明示した書式をPDFファイルにして添付送信できる電子メールまたはSNSや、FAXを使うことが良い例として厚生労働省は想定しています。一方で、スマートフォンや携帯電話へショートメールで送信することは禁止されていませんが、PDFが添付できず文字数制限もあるため、望ましくないとされています。
2.採用時の労働条件明示は非常に重要
労働契約を結ぶ際に明示が義務になっている労働条件の項目は、労働者と事業主にとって非常に重要な項目です。いうまでもありませんが、明示する内容は、事実と相違ない内容になっていなければなりません。
また、就業規則の規定よりも個別に明示した労働条件通知書や労働条件契約書のほうが、労働者に有利な条件であった場合は、個別に契約した労働条件が適用されます。
例えば、定年年齢を就業規則では満60歳としていても、個別に締結した労働条件通知書が定年はないと明示していると、その労働者の定年は定めがないことになります。このような誤りは、労働条件通知書を作成する際に、インターネットで公開されている一般的な書式例をダウンロードし内容を精査せずに使っている場合に起こりやすいため、労働条件通知書の書式や内容はよく検討して作成することが必要になります。
最後に2019年4月1日から、労働者が希望すれば、電子メールやFAX、SNS等でも明示できるようになった変更点を厚労省のリーフレットから引用します。
以上の変更について厚生労働省が公表したリーフレットは次のURLでご確認下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/000481172.pdf
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2019/10/28