人事評価制度の課題
組織設計と職能資格階層・役職は連動させる。
企業の従業員規模と事業戦略、組織の役割分担で、組織設計は決まる。組織設計に準じて階層と役職を決める。
成果主義の誤解を解き、正しい成果主義を導入する。
かつての「成果主義の誤った導入による失敗」で成果主義に不信感が出ていますが、現在の制度改定の主流も成果主義です。
結果主義とは違う、成果の定義を明確にした、正しい導入が必要です。
年俸制を都合よく導入しているケースがある。
年俸制は賃金を決める形態です。実質は月給制と変わらず、時間外手当の支給も必要です。
時間外労働の割増賃金を年俸の内訳で区別する必要があります。
年俸制は1年に1度の評価なので、目標管理と連動させ、達成度を明確に評価できなければ、あいまいな制度になってしまいます。
時間外労働対策は経営上のリスクである。
時間外労働未払いの請求については会社側が圧倒的に不利です。最長で過去2年間に遡って支払い命令が出ることがあります。
「単純に残業させない」だけでは、就業意欲が減退し、事業そのものが弱体化します。適切な対応策を制度に組み込むべきです。
評価基準をキャリアプラン、昇格ルール、教育体系と連動させる。
職能資格(求められる能力)の基準を明確にし、昇格条件と連動させます。そのギャップを個人の育成課題として設定します。
役職定義(役割と成果責任)を明確にし、その基準が任用要件となります。課題(プロセス)目標として評価指標に設定します。
評価結果を本人に知らせ、人材育成につなげる。
人事評価には賃金を決める目的と育成の目的があります。評価結果を本人に伝え育成課題を明確にします。
専門職導入が大きな流れである。
全員が管理職になることが現実的ではないので、専門性を発揮することで会社に貢献するプロフェッショナル職コースのキャリアプランが必要になります。
人事評価制度設計内容
カテゴリー | 概要 | 内容 | 成果物等 | |
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① | 人事ポリシー |
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② | 組織機能・ 階層設計 |
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③ | 等級資格・ 役職定義 |
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④ | 役割・成果・ 責任一覧/ 能力基準 |
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⑤ | 評価制度・ 昇進昇格 |
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⑥ | 報酬制度 |
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⑦ | 制度運用 目標管理制度 |
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⑧ | 社員浸透 |
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目標管理制度と人事評価制度は企業経営の柱である
- 「正しい制度設計と運用により、強い組織、現場力の強化を図る」
- 「人事評価制度と目標管理の仕組みがマネジメントの背骨となる」
成果に伴う公平な格差
成果によって格差がつきづらかった
わかりやすさ、透明性・納得性
評価が曖昧で本人へのFBがない
プロセス評価を意識した具体的な評価指標
結果評価に偏っていた育成の視点が弱かった
資格の滞留と抜擢、抜け道を意識する複線型コース(専門職・独立制度)
将来に向けた夢が描きづらかった
組織構造上のマネジメント単位の大きさが重要
課長ラインが少なく、評価・育成が不可能な組織構造であった
求められる役割・責任・成果の明確さ
役職に求められる役割・成果・責任が曖昧だった
成果を生み出す職務能力の体系化
職務能力の体系化がないので育成不可能であった