【人事管理】オリパラ期間の有給休暇とテレワーク
1. 有給休暇取得時季の調整
前回のコラムでは、有給休暇の事前指定はどれほど前から可能かという点について、判例では、前々日前の指定を定めることは合理的とした例があることをお話ししました。
もし、もう少し前から指定してもらう運用をしたい場合は、どれくらい前までならば合理的な期間となるのかは、法令等で具体的に述べられているものがありませんので、労使でよく話し合って、合理的な範囲で有給休暇の取得の促進につながる運用をすることが望ましいと思っています。
さて、オリンピック観戦チケットの抽選第一回目はすでに終わり、次の予約も順次始まっています。私の知人はサッカーのチケットが当選したようです。そこで、社員の中でチケットが当選している人がいれば、有給休暇を取得するでしょうから、オリンピック・パラリンピックの期間は、有給休暇取得のスケジュール表を職場で共有して、今から書き込んでいくように社内に告知してもよいと思います。
尚、就業規則では、有給休暇は営業日〇日前に書面で取得日を指定すること。というような規定をしている企業が多いと思いますが、年内に取得スケジュールなどを作成して、前広に記載してもらうことで、観戦チケットがあった人を気持ちよく送り出してあげられる雰囲気が作れると思います。
もし、チケットが当選した社員と、これからチケット予約をしている社員など、同じ日に複数の社員が取得したいと申し出た場合で、業務に支障がある場合は、代替要員を手配するか、仕事の進め方を工夫するか、どうしても手立てがなければ、取得日を変更してもらうことになります。
取得したい日が重なったものを変更してもらう社員の決め方は、話し合いやじゃんけんなどが考えられますが、せっかくの東京開催をみんなが楽しみたいと思いますから、わだかまりの残らないような方法を選ぶようにしたいものです。
2.東京都のテレワーク スマートフォンアプリ
東京都は、オリパラ期間にかかわらず、テレワークを推進しているようです。
2019年11月にスムーズビスの一環として、東京都のテレワーク推進の情報等を広く入手できるスマートフォンアプリを作成し公開したようです。
アプリには、テレワーク実践事例や支援施策の紹介、都内や近郊のサテライトオフィス検索など、企業等でテレワークを推進する際に役立つ情報を掲載されています。
またこのアプリは、簡易テレワーク勤怠管理ができるようです。社員が自分の勤怠を記録できます。そして、企業が事前登録をすれば、企業内の担当者に自分の勤怠情報を報告することができます。「テレワークタイムの開始」ボタンで簡単に勤怠を記録できるだけなく、後から修正(編集)も可能なようです。
詳しくは、東京都産業労働局 雇用就業部が運営するTOKYOはたらくネットをご覧ください。
https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/hatarakikata/telework/app/
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2019/12/02