【人事管理】在宅勤務等の実施状況(経産省)
1. 出勤者数7割削減に向けた実施状況
経済産業省は、在宅勤務(テレワーク)の活用等による出勤者数の7割削減を推進する一環として、事業主が自ら積極的に状況を公表することに取り組んでいるようです。これは、令和3年5月7日改正新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を踏まえた具体的な取り組みのようです。
まずは、上場企業等の大企業や団体は、テレワーク等の実施状況を自社ホームページ上で公表し、その後に実施状況を掲載したURLのリンクを経済産業省が作成したサイト上から登録します。経済産業省は、登録した企業・団体名とURLの公表と好事例を紹介していくようです。
現時点では、2021年5月18日までに登録した292の事業・団体等の一覧がエクセルとPDFで掲載されており、加えて好事例の3例が掲載されています。大企業が中心ですが、大企業に限らず今後も登録を受け付け、毎週水曜日に更新するようです。
各企業や団体は、他の企業等の情報を参考にしつつ、出勤者数の削減に取り組んでほしいとしています。
2. 各企業等の実施状況
経済産業省のサイトに掲載された企業等の実施状況報告のURLをたどってみると、
・実施状況(出勤者数削減率)
・テレワーク等の実施にあたって取り組んでいること
・ローテーション等で一部社員が出勤する際に取り組んでいること
などが掲載されています。大企業等の各社の個別掲載資料を見ると、6~8割近くの出勤者数の削減を実施し、出勤数をしぼっていることを公表しています。
3. テレワーク取り組み事例
掲載されている取り組みの中で、一般的なものは、パソコンや電話の付与、社内システムへのアクセス方法に必要なインフラ整備、リモート会議に必要なインフラ整備、労働時間の管理手法等が上がられていますが、印象に残る項目をあげると
・従業員が感染した際に接触した可能性のある従業員にPCR検査等を実施
・フレックススタイムと時差出勤の推奨
・リモート会議に参加しやすい又はテレワークがしやすいパーテーション等の付与
・リモート会議実施にあたっての教育
などがありました。
昨年の緊急事態宣言以降、筆者のところにかかってくる営業の電話は、携帯電話からかかってくる頻度が増えています。また、利用しているIT企業のシステムサポートに問い合わせをしたときに、折り返し電話をかけてくるサポートセンターの社員も、携帯電話からの電話でした。
話せる機会があると、具体的に「テレワーク中ですか?」と聞いてみると、「はい。テレワークです。」と答えるケースがありますが、受け手の印象としては、2種類です。
一つは、こちらが必要とする情報を得たくて話をしているときは、相手がリラックスして話していることが伝わってきて、これまでよりも話しやすい印象をもちます。
しかし、一方的に電話先の営業マンの事情でかかってくる「いわゆる営業電話」の場合は、早口でやや強引な話し方が多く、あまりよい印象がありません。お客様へかける電話を、会社に出勤して他の社員が隣にいるデスクからかけるときと、一人でいる場所からかけるときとでは、勝手が違うのだと察します。
企業にとって、テレワーク先からかける電話の教育と、電話をかけて実現した結果の評価は、ますます重要になってくると思います。
経済産業省の出勤者数の削減に関する実施状況の公表・登録は以下のURLからご覧いただけます。
https://www.meti.go.jp/covid-19/attendance.html
【コンサルタントプロフィール】
大関ひろ美
(株式会社ブレインパートナー 顧問)
三重県四日市市出身。
ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)
DATE : 2021/05/26