【労務管理】熱中症対策動画と安全教育素材の紹介
1. 熱中症予防オンライン講習
職場における熱中症の予防対策について、オンライン講座が公開されています。11~15分間で管理者や作業者向けの動画がホームページ上で閲覧できます。熱中症については、すでに一般知識として知っておられると思いますが、新型コロナ関連で医療状況がひっ迫していると、救急治療を受けることが難しくなることも予想されますので、改めて情報収集をお願いしたいと思います。
厚生労働省の委託事業としてテクノヒル株式会社が運営しているサイトです。
職場における熱中症予防情報 オンライン講習(無料)のページはこちらです。
https://neccyusho.mhlw.go.jp/study2021/
2. マンンガでわかる働く人の安全と健康
職場では、熱中症対策も含めて安全な労働環境の研修が必要です。厚生労働省は、職場の労働安全衛生を初めて学ぶ人向けに、まんが冊子を公開していますので、安全衛生や労災保険の社内研修を正社員やアルバイト等に行うときに使ってみてはどうでしょうか。
外国人労働者に対しても適切な教育ができるように14か国語で書かれており、業種共通の冊子と、外食業や小売業、製造業ほかの17業種別に編集された冊子があります。
厚生労働省のマンガでわかる働く人の安全と健康教材のページはこちらです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13668.html
3. 労働災害発生状況で多いのは転倒
さて、業務に起因した労働災害発生状況速報を見てみると、下表のとおりで、死亡災害と4日以上休んだ災害ともに「転倒」が一番多くなっています。
死亡労災 | 休業4日以上死傷労災 | |
1位 | 転 倒 | 転 倒 |
2位 | 交通事故(道路) | 墜落・転落 |
3位 | 挟まれ・巻き込まれ | 動作の反動・無理な作業(ぎっくり腰等) |
転倒は、脚立作業中、階段で荷物を運んでいるとき、油や水で滑りやすい床を歩いているときに起こりやすくなっています。これらは、建設業や外食業などに限らず、事務仕事中のオフィスでも起こる可能性があります。
一般的な防止を考えてみると次のようなものがあると思います。
① 各職場でルールを決めて守る
② 整理整頓・清掃清潔を維持する
③ 用具を正しく使う
④ 転倒しにくい作業方法を考える
⑤ おかしい・危ないと思ったら管理者に報告する
⑥ ヒヤットした経験を職場で共有して改善する
また、転倒については加齢にとっもなって運動機能や身体機能の低下で発生しやすく、わずかなつまずきであたっても重症しやすくなります。
年齢別では、50歳から急増し60歳代前半が一番多くなっています(厚生労働省 職場のあんぜんサイトより)。
高年齢労働者の安全対策は、社員全員の安全対策になりますから、取り組みを続けたいものだと思います。
【コンサルタントプロフィール】
大関ひろ美
(株式会社ブレインパートナー 顧問)
三重県四日市市出身。
ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)
DATE : 2021/07/26