【人事管理】パワハラ防止自主点検と研修動画の紹介
東京労働局はウェブサイトで「職場におけるパワーハラスメント対策の自主点検票」とその進め方などの解説動画も公開しています。
また、社内の研修にも使える動画の紹介も掲載されています。パワーハラスメント防止のための施策については、企業間の進み具合に差があると感じているところですが、一度ご覧いただき、現状の把握や社内全員を対象にした研修材料や相談窓口担当者の自主研修にご利用ください。
1. パワハラ防止の施策が義務化
2022年4月1日から中小企業にもパワーハラスメント対策が義務付けられます
(2020年6月1日に改正労働施策総合推進法が施行され、大企業には既に義務付けられています)。
東京労働局に寄せられた「いじめ・嫌がらせ」に関する民事上の個別労働紛争相談件数は、昨年度9,072件で、そのうち「いじめ・嫌がらせ」が29%、「解雇」が13%、「労働条件引き下げ」が11%となっており、ハラスメントの相談が多かったようです(「職場のパワーハラスメント対策かかる自主点検の解説」資料より抜粋しました)。
こうしたことや来年4月に中小企業にもパワーハラスメント対策が義務付けられることを踏まえて、自主的に現状を把握するための点検ができる「職場におけるパワーハラスメント対策の自主点検票」が公開されています。
2. 動画の視聴
ハラスメント対策と解決へ向けた段階ごとに動画が公開されています。自主点検票で状況を把握したのち、取り組みを進めるうえで参考になる制度の担当者や管理職、労働者向けの資料や、場面ごとの動画も掲載されています。まずは、制度の担当者が全体をご覧いただき、場面ごとに3つに編集されている動画を社内研修で利用するなどして活用ができると思います。
例えば、社内の相談窓口の担当者向けには、
●「企業のパワハラ相談の具体的な対応」の例
という動画が用意されています。
ハラスメントは、職場の人と人の間で起こるものであり、相談窓口で相談にあたるのも人です。また、ケースによっては加害者と被害者を引き離す必要があって、人事異動を決定するのも人です。
よって、わかっていたつもりでも、時間の経過とともに誤った対応をしてしまうことがあります。すでに対応策が進んでいる企業でも、ハラスメントに関する研修は定期的に行うことが大切になる点を考慮すると、参考になる情報が掲載されていると思います。
詳しくは、東京労働局のページでご覧ください。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/kyoku_oshirase/_120743/jisyutennkenn.html
【コンサルタントプロフィール】
大関ひろ美
(株式会社ブレインパートナー 顧問)
三重県四日市市出身。
ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)
DATE : 2021/09/27