【人事管理】再雇用やパート社保加入と公的年金シミュレーター
厚生労働省は「公的年年金シミュレーター」をウェブで試験運用を開始しています。パソコンでもスマートフォンでも操作可能で、自分の今後の働き方と年金の受給開始年齢など簡単な入力をすることで、一定の年齢時点の年金額をシミュレーションできます。
自分で自分の金額を計算する想定ですので、経営者が自身の年金額を試算することができ、年金と役員報酬のバランスを考えられます。老齢年金を受け取る年齢を繰り下げたときの年金の年額がいくらになるかも試算できます。
1.再雇用予定者が年金を含めた収入を考えるとき
高年齢の社員が老齢年金を受給しながら働くとき、定年後再雇用で働くときの年収を想定して入力することで、自分の老齢年金と賃金のバランスを考えることができます。
操作はパソコンでも可能ですが、スマートフォンで行うと簡単にできるようになっています。手順は、誕生月に被保険者に送られてくる「ねんきん定期便」に印字されている二次元コードを読み込んで、生年月日を入力すると、年金見込み額が表示ます。 次にスライドバーを操作すると、年金の受け取り開始時期等を簡単に変更しながら資産額を確認することができます。 |
なお、「ねんきんネット」に登録しているので「ねんきん定期便」が郵便で届いていない人は、「ねんきんネット」から「ねんきん定期便」がダウンロードできますので、そこから二次元コードを読み取ることができます。
このシミュレーションは、まだ試用運用中ですが、今後は税金などが計算されて手取り額も表示される予定だそうです。
2.短時間パートが社保加入した時の年金予想額を考えるとき
社会保険の対象者については、令和4年10月から短時間労働者の適用拡大があります。
被保険者が101人以上の適用事業所で働く短時間労働者は、以下の要件に該当すると被保険者になります。令和4年9月末までは501人以上の適用事業者が対象ですので、令和4年10月からは、101人以上500人未満の適用事業所において、新たに被保険者になるパート等がいます。
この新たに被保険者になるパート等は、本人と事業主の保険料負担が発生する一方で健康保険の傷病手当金等が受給できます。そして将来の老齢年金が増えますので、新たに被保険者になる前には、どれくらい老齢年金が増えるか把握しておきたいのではないかと思います。そこで「公的年年金シミュレーター」を使って今後の働き方(年収や働く上限年齢等)を入力すると、将来受け取れる年金の予測ができるようになっています。
公的年金シミュレーターについては厚生労働省のウェブページでご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/kouteki_nenkin_simulator.html
【コンサルタントプロフィール】
大関ひろ美
(株式会社ブレインパートナー 顧問)
三重県四日市市出身。
ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)
DATE : 2022/08/09