コンサルタントコラム

【人事管理】インフレ手当支給が6.4%_帝国データバンク調べ

1. 支給予定と検討中を含めると4社に1社が取り組む

帝国データバンクは、「インフレ手当」について、2022年11月11日から15日まで、有効回答企業1,248社から得たアンケート結果を公表しました。

物価高騰をきっかけに従業員に対して特別手当(インフレ手当)を支給した企業は、全体の6.6%となり、支給予定が5.7%、支給を検討中が14.1%、合計26.4%が支給したか検討中とのことです。他方で、支給する予定がないと回答した企業は、63.7%です。

 

2. 支給するタイミング

この調査では、手当の支給方法と支給金額も調査をしています。
一時金で支給(支給予定や検討中も含む)すると回答した内訳は、1~3万円未満が27.9%で最も多く、平均支給額は5.37万円です。
月額手当として支給(支給予定や検討中も含む)すると回答した内訳は、3千円~5千円未満と5千円~1万円未満が30.3%で最も多く、平均支給額は約6,500円。

さて、この調査でも企業等が個別に回答しているように、通勤に自家用車の使用率が高いところでは、通勤手当を値上げしている例もあります。光熱費の値上がりを考慮すると、テレワーク手当の改定も検討されてくると思います。
しかし、毎月の給与でインフレ手当や、特別手当のような臨時的な目的で支給した場合、いつ廃止するかも重要です。物価上昇が一時的なもので、今後もし元に戻った場合、手当の支給中止の見極めをどのような基準で行うかを社員に周知しておく必要があります。

尚、通勤に自家用車の使用率が高い企業等では、従来からガソリン販売額に連動して通勤手当を変更するルールを運用しているところもあります。

筆者が関与する企業では、事例が少ないのですが、年俸を12か月で割って支給しているため賞与がない企業があります。その企業は、社員の生活費における光熱費の値上げに注目して、2022年の夏に特別一時金で10万円を支給した例があります。今後は物価の動向を見て、同額程度の支給するかどうかを決定する予定にしています。

食費・光熱費の負担増が、生活費に大きく影響される所得層については、毎月の手当支給への期待が大きくなっていると思います。この「インフレ手当に関する企業実態アンケート」は、物価高騰に対応する賃金の検討をする際に参考になる調査だと思います。
帝国データバンク調査の結果は次のURLでご覧ください。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221106.pdf

 

 

 

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美


大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2022/11/22

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