コンサルタントコラム

【人事管理】人事の書類保管期限について

人事関連の書類には、保存義務が法令で決まっているものが多数あります。では、保存期間を気にせずに永遠に保存していればよいかと言うとそうもいきません。保管書類の整理をする場合は、保管方法と廃棄する日を考えながら整理をする必要があります。

 

1) マイナンバーについて

マイナンバーは従業員が離職し不要になったら、廃棄する義務があります。一方で、書類にマイナンバーが記載されている場合は、保管義務が過ぎたマイナンバー記載の書類は、廃棄する義務があります。例えば、給与計算と年末調整に必要な扶養控除申告書等は、提出された翌年1月10日の翌日から7年間保管ですので、保管期間が過ぎるとマイナンバーが記載された申告書を廃棄しなければなりません。

そしてマイナンバーが記載されている書類を保管するときは、鍵のかかる書棚等で管理して、廃棄する時は廃棄した事実を記録する必要もあります。さらに、廃棄するときはシュレッダーや書類溶解等の方法で復元できない状態にしなければなりません。

また、マイナンバーをデータで保管しているときは、データ漏洩をしない対策が義務付けられています。

尚、当方が給与計算を代行している企業の扶養控除申告書等は、保管期間や保管法の手間を回避するために、一定の要件を備えた方法でマイナンバーを管理して、各申告書に「記載すべきマイナンバーは給与支払者に提供済のマイナンバーと相違ない」と社員様に記載していただくことによって、マイナンバーを記載しない方法をとっています。

 

2) 廃棄する日を記載する

法令で保管期間が決まっている書類を保存する時は、廃棄する日を記載して段ボール等に廃棄日ごとにまとめておくと良いと思います。
最終的には、書類の保存期間と保存方法をまとめた社内文書管理規定を作成するとよいでしょう。

主な書類について保存期間をまとめると下表のとおりです。尚、民法改正と同時に賃金請求権の時効は5年に改正されています。ただし、当面は3年とされていますので、下表*印の書類については、当面のルールである3年と記載しました。今後、賃金請求権の時効が5年になったときは、保存期間も5年になりますので注意しなければなりません。

給与所得者の扶養控除申告書等の給与・年末調整に関する国税関係書類は、翌年1月10日の翌日から7年間保管

 

 

【コンサルタントプロフィール】

写真_大関ひろ美


大関ひろ美
株式会社ブレインパートナー 顧問
三重県四日市市出身。

ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。
現在は、ワンズライフコンパス株式会社と併設するワンズ・オフィス社労士事務所の代表に就任。2006年パートアルバイト派遣の使い方ここが間違いです(かんき出版) 2013年~雇用形態別人事労務の手続と書式・文例、雇用形態別人事管理アドバイス(共著、新日本法規出版)

 

DATE : 2023/12/26

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