【目標管理】目標管理を本来の目的・ねらい通りに、うまく運用できていますか?
人事評価制度の中に目標管理の仕組みを組み込んでいる企業が増えていますが、じっくりお話を伺うと「うまく運用できていません」「一応、やっています」というケースが少なくありません。
目標管理の運用に関する主なお悩みは
① 個人の目標設定がうまくできない
② 評価者によって評価にバラつきがある
③ 評価者によってフィードバック面談の進め方が異なる
などです。結果、形骸化しており社員にとっては無駄な業務と映り、時として人事評価への不信感に繋がっている事があります。
どうすれば、初期の目的に沿った適切な運用ができるのでしょうか?
また、そのために必要な条件は何でしょうか?
もう一度、振り返ってみましょう。
目標管理制度の目的
目標管理制度の目的は、会社側からと社員側からの両面があります。
両方の立場から目標管理の目的をきっちりと認識し、双方の目的が達成されるように運用されなければなりません。
○会社側
・・・・経営戦略や年度目標を達成するために部門や個人が具体的にどの様な目標を立て、何をするのかを決めていく仕組み。経営計画の達成を担保する仕組みになっていることが望まれます。
○社員側
・・・・業務目標・役割等を通じて社員が自身のキャリア開発、成長していくための仕組み。
自分に求められている役割を理解したうえで、目標達成のために何が不足しているのか? これから何を身につけなければならないのか? 自分自身と向き合うとともに、上司の支援を引き出し自己成長に活用していきます。
⇒このプロセスは上司にとってもマネジメント力強化の良い機会になっています。
個人と会社、双方の目的を融合させることこそ、目標管理を「活きたマネジメントシステム」として運用できるかどうかのポイントです。
自己管理と上司の支援
MBO (Management by Objectives and Self-control)は日常的な自己管理を原則としています。自分に求められた役割を理解した上で、自分で目標を立て、目標達成に向けて自分自身で進捗を管理していくことがモチベーションの源泉です。
目標値は「自分が成長することで達成できる」難易度にしましょう。チャレンジして達成するプロセスがモチベーションの強さを生み出します。
同時に部下が自己管理できるようにカウンセラーのスタンスで支援することが求められます。必要に応じて、部下のゴール設定や達成するためのステップを確認するのを支援します。
カウンセラーのスタンスについては、前週コラム(【マネジメント】部下との面談に求められる 9つの役割)をご参照ください。
進捗管理については、マネジメントサイクル(PDCA)を継続的・安定的に回すスキルが求められ、管理幅についても知っておく必要があります。これらについては、後日に譲ります。
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2016/07/15