【人事管理】最最低賃金引上げ目安は50円
1.令和6年度最低賃金の動向
中央最低賃金審議会は令和6年7月24日に最低賃金の引き上げの目安を「50円」とすることで合意しました。
各都道府県は経済状況に応じて、A~Cランクに分けられていますが、今回はすべてのランクで50円の引き上げで合意しました。目安通りの引き上げが行われると、全国平均の最低賃金額は1,054円(5%引き上げ)となります。昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額の上昇となります。
今後は、各都道府県の最低賃金審議会が、地域別最低賃金額を労働局長に答申を行って8月末頃までに改定後の金額が決まり10月から改定される予定です。
2.都道府県別の金額
各都道府県の決定を待っているところですが、そのまま通ると関東近郊の答申金額は次のとおりです。
3.最低賃金のチェック
最低賃金の時間額は、時間給制の労働者、月給制等の労働者、パートタイマー、アルバイト、嘱託、正社員などの雇用形態に関係なく適用されます。
研修期間や試用期間の賃金も最低賃金を下回ることはできません。
この秋に最低賃金が改定された時、現在の賃金が最低賃金を満たしていることを確認願います。
1)時間給の場合のチェックは次のように時間給の金額で容易に確認できます。
時間給 ≧ 最低賃金額(時間額)
2)月給の場合は、時間給に割り戻して確認します。
一箇月の賃金÷1カ月平均労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)
ただし、月給で支給するとき最低賃金の計算に入れないものもあります。
最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金で、残業や賞与などは対象になりませんので、注意が必要です。
【最低賃金の対象にならない賃金】
(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
(2) 1か月を超える期間ごとに払われる賃金(賞与等)
(3) 所定労働時間を超える労働に支払われる時間外割増賃金等
(4) 所定労働日以外の労働に支払われる休業割増賃金等
(5) 深夜業割増賃金等
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
4.求人募集広告は会社をアピールする
アルバイト等の求人募集は、他社においても最低賃金に合わせて時給を引き上げて募集を行います。良い人材の確保のためには、時給以外のアピールポイントを掲載する工夫がますます必要になっていると思います。
厚生労働省報道発表資料「令和6年度地域別最低賃金改定の目安について」で関連情報が確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41785.html
【コンサルタントプロフィール】
大関ひろ美 (株式会社ブレインパートナー 顧問) 三重県四日市市出身。 ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。 |
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DATE : 2024/08/02