【人事管理】雇用保険の給付引き上げ(育児休業給付の給付ほか)
こども未来戦略(令和5年12月22日閣議決定)に盛り込まれた施策を実行するため、子育てに係る経済的支援の強化、こども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進に資する施策の実施に必要な措置の一つとして、令和7年4月1日から雇用保険の育児関連の給付の拡充がありますので、紹介します。
1. 出生後休業支援金で給付を上乗せ(令和7年4月1日から)
両親ともに育児休業を14日以上取得した場合に、現在の育児休業給付金と併せて「出生後休業支援金」が給付されます。
出生後休業支援金は、育児休業給付金及び出生時育児休業給付金を支給請求する際に併せて支給申請手続きをすることで、上乗せされて受給できるイメージです。
対象となる期間は、
・産後休業を取得しなかったとき(主に男性)は、子の出生から起算して8週間以内
・女性が産後休業を取得したときは、産後休業後8週以内
であり、最大28日間、休業前賃金の13%相当が上乗せされます。これにより、育児休業給付と併せて給付率は80%となるように引き上げられることになります。
(図の資料出所:厚生労働省 子供・子育て支援法の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)の概要から抜粋)
2. 育児時短就業給付金の新設(令和7年4月1日から)
現状は、育児のための短時間勤務制度を選択して働いたとき、賃金が下がっても雇用保険から支給される給付はありません。
雇用保険の被保険者が、2歳未満の子を養育するために、短時間勤務をしている場合に新たな給付として、育児時短就業給付金が新設されます。給付率は、時短勤務中に支払われた賃金の10%です。
この支給率は、休業よりも時短勤務を推進し、時短勤務よりも従前の所定労働時間で勤務することを推進する観点から決められたとのことです。
(図の資料出所:厚生労働省 子供・子育て支援法の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)の概要から抜粋)
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)の概要はこちらでご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001263453.pdf
【コンサルタントプロフィール】
大関ひろ美 (株式会社ブレインパートナー 顧問) 三重県四日市市出身。 ワンズライフコンパス(株)代表取締役、ワンズ・オフィス社労士事務所 代表。1981年~ 三菱油化(現、三菱ケミカル)株式会社の人事部門に約9年間勤務。1992年社会保険労務士資格を取得(その後特定社会保険労務士を付記)。 1996年~ 外資系生命保険会社ほか勤務、北九州市嘱託職員として介護保険導入に携わる。2001年~ 社会保険労務士事務所を開所独立。 |
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DATE : 2024/12/17