【目標管理】先行管理で人事評価の時間を生み出す!
労務行政研究所が行った「目標管理制度の運用に関する実態調査」(2013年)では、目標管理制度の導入率が88.5%に上っており、その、ほとんどの会社が、設定した目標の達成状況を待遇や昇格昇進など、人事評価制度に反映させています。
今や目標管理を適正に運用して高い評価を生み出し、公正な評価を得ることはマネジメントにとっても部下にとっても重要な課題です。
一方で目標管理を適切に運用する上でいつも頭を悩ませるのが「時間が無い!」という問題です。
例えば4月1日期首の会社では
「期首と同時にスタートできない。 スタートがゴールデンウィーク明けになるが仕方がない。」
と感じているマネジメントの方は多いのではないでしょうか。
期末の翌日が期首ですが、論理的にはこの間に実施しなければならないことが山積していますね。現実的には第3クォーターが終了した頃に当該期末での業績を予測し、翌年度の戦略や事業計画。予算の検討を始める会社が多いようです。
ただし、人事評価は見込みで実績を評価するわけには行きませんので期末を待ってからの評価となり、結果的に「評価が終了し、新資格に期待される役割や成果を盛り込んだ個人目標管理シートが完成し、期首の業務をスタートできる」のは早い会社で半月遅れ、遅い会社では期首がスタートして1か月半遅れになってしまっています。
※期末~期首の作業
■1か月前倒しの「先行管理」
目標管理をはじめ、業務のすべてを1か月前倒しにして期首と同時にスタートさせる「先行管理」の手法を私自身が前職で行ったケースでご紹介します。この先行管理型目標管理の運用を実践することで期待を超える成果を生む体験をしてきました。
まず目標管理のPLAN段階で、
① 1年を11か月と考えて計画を立てる。=期末月(3月)は目標値を設定しない。
② 半期を5か月半、Q(クォーター)は2か月3週として計画を立てる。
という徹底した「先行管理」の手法を取り入れます。
当然、1か月の営業日数が22日の場合は18日くらいで月目標を達成できる計画にしておきます。
18日で達成できたら、残りの4日間はゆとりの時間。翌月の準備をするもよし、普段できない名刺や資料の整理、部下とのコミュニケーションにじっくりと取り組むこともできますね。未達成の場合は残り4日間で到達できるよう行動できます。
期末月は今期の振り返り・人事評価・翌期の方針や目標設定に集中して時間を使い、期首に気持ちよくスタートできる条件を整備しましょう。
人事評価が年2回・年4回の会社は、先行管理型目標管理を運用することで人事評価の時間を生み出すことが可能です。
1か月前倒しの先行管理方法は、業種や業態によっては適切でない場合もありますが、もう一度自社の業務を棚卸してみましょう。全部門・全業務でなくても、一部でも先行管理を導入できる部署や業務があれば、導入することを検討してみましょう。
予想以上に全社の生産性を向上させる動力になります。
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2016/09/08