【人事管理】外国人技能実習制度について
1.技能実習制度とは
外国人技能実習は、新聞等で見聞きする制度ですが、実際に行っている企業等以外には、なかなか分かりにくい制度ではないでしょうか。
技能実習制度は、国際貢献のため、開発途上等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れて、OJTを通じて技能を移転する制度です。平成5年に同名の制度が創設されました。
開発途上地域等への技術等の移転を図り、その経済発展を担う人づくりに協力することを目的としています。
技能実習生は、入国直後に原則2か月間実施する実習期間以外は、雇用契約で実習を受けます。ですから、労働関係法令等が適用されており、平成28年末時点で全国で約23万人が在留しています。
実習期間は限られており、対象職種は送り出し国のニーズがあって、公的な技能評価制度が整備されている職種(75職種135作業)に限られています。よって、我が国の人手不足を補う労働力という位置図付けの制度ではないという点は押さえておきたいポイントです。
技能実習制度ができる職種
(クリックすると機構のホームページにリンクしたページが開きます)
1. 農業関係(2職種6作業)
2. 漁業関係(2職種9作業)
2.技能実習生の保護
技能実習制度は、国際協力という制度の趣旨・目的に反して、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保等として使われることのないよう、基本理念として、
①技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと、
②労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと
ということがあり、これらを踏まえて、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が平成29年11月1日に施行されます。
3.技能実習を行うときの手続き
また、誰でも受け入れ機関として実習が行えるわけではありません。実施者は届出または許可申請が必要で、次の2類型があります。
1. 日本の企業等が海外の現地法人、合併会社や取引先企業の職員を受け入れて実施する企業単独型(届出制)
2. 非営利の管理団体(事業協同組合、商工会等)が実施する団体管理型(許可制)
技能実習は、在留年数別に、1年目の実習を技能実習1号といい、2年目と3年目を技能実習2号といい、4年目・5年目を技能実習3号といいます。
実習を行うには、それぞれ要件がありますが、技能実習計画は、1から3号までの各号の実習開始前の定められた期間までに必要書類等を添えて機構の地方事務所・支所の認定課に申請します。
なお詳しい情報は、機構のホームページから入手が可能です。
http://www.jitco.or.jp/system/seido_enkakuhaikei.html
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2017/10/24