【人材育成】新年度の準備
3月期末の会社にとっては、いよいよ新年度が始まり、評価面談~目標設定面談の時期に差し掛かります。部門計画、個人目標設定と進む前に、組織長として準備しておいていただきたいことがあります。今回のコラムは、「新年度初めの準備」というテーマで、経営幹部、組織長の皆様に、この時期取り組んでいただきたいことをお話しさせていただきます。
■前年の振り返りを必ず行う
前年度に立てた組織目標や課題について、①達成されたことと成功要因。②未解決なことと、うまくいかなかった原因。そして、③新年度に懸念される課題を組織責任者として必ず整理しておきましょう。異動する組織長にとっては、後任への引継ぎ事項になります。
■「周囲からの期待」の情報収集を行う
新たな組織編制の中で、自分の組織の役割はどのように変化するでしょうか。
それを考えるには、利害関係者からの組織への期待を把握することから始めなくてはいけません。まずは、自分の上位者、そして顧客、関係部門、新しい組織のメンバーから情報収集を行います。すべての要求に応えることはできません。ホンネの期待とタテマエの期待も混在しています。時間をかけて優先順位をつけましょう。時間をかけただけ、腹に落ち、自分の言葉になります。
■「何のためにこの仕事をするのか?」職場ミッションを考える
期待の整理・優先順位付けが終わったら、職場のミッションをじっくり考えます。職場のミッションを考える内容は次の3つです。
① 貢献対象(組織が貢献すべき部門、人物、事柄)
② 貢献内容(貢献相手が受け取るプロフィット、バリュー)※相手目線で考える
③ 貢献方法(実際に何をすることによって、貢献につなげるか)
何回も考え直して、リーダーとして適切な言葉を見つけ出す必要があります。大きすぎず、期間が長すぎず、抽象的過ぎず、難しすぎず、です。部下が共感、動機づけされ、新鮮に思えるメッセージを形作ります。
人が動かされるのは「目標」より「目的」です。
以上のことを経て、期初の部門計画、個人目標設定を通した、部下の仕事への納得性を高めていきましょう。
【コンサルタントプロフィール】
和田一男 (株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント) 北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年) |
DATE : 2018/03/28