コンサルタントコラム

【人事評価】人事評価では、日常の行動事実を把握する

行動(能力)評価やプロセス評価を適切に行うためには、日頃のマネジメントを通じて被評価者の行動を把握することが重要です。そして、具体的な行動事実の中で特に「褒めたいこと」「指摘したこと」があれば、その都度フィードバックを行うようにしましょう。日常的に行動事実を確認しあう過程が、被評価者の最終的な納得感を高めます。

行動事実を把握するために、次の4つを日常から意識しましょう。

a.行動事実の確認を習慣化する
日常的な業務遂行の中で被評価者と意思疎通を図り、行動事実を確認することを習慣化する。目標管理の面談の機会などの記録や報告も活用するとよい。

b.気がついたことはメモしておく
被評価者の行動や日頃の仕事状況など、気がついたことをメモしておき、評価の際に見返してみる。そして、その具体的な行動を評価項目に照らして評価する。行動事実を記録として残しておかないと、評価時期に近い行動のインパクトが大きくなりすぎ、偏った行動事実に基づいて評価を行うことになりかねません。手間がかかるようですが、日常的な行動事実のメモは公正な評価を実現するためにはとても重要なものです。

c.評価を証明する工夫をする
「評価の証」を駆使して計れそうにない目標を計れるようにする。数値データやアンケート、写真、議事録、成果物・作成資料など。成果証明できないことは評価できない。目標管理と連動させ、定期的に具体性を高める必要があります。。

d.第三者から情報を集める
業務の状況によっては、評価者が被評価者と一緒に仕事をする機会が少ないケースもある。そのような時は、被評価者が一緒に仕事をしていた第三者から行動事実を収集する方法もあります。ただし、第三者に評価してもらうことが目的ではないため、あくまで具体的に「彼/彼女と仕事をしている中で印象に残った出来事」とその中で「良いと感じた行動」「改善すべき行動」などの事実情報を集める。ただし、第三者の評価や感想は参考にとどめ、最終的にその事実に対する評価は評価者自身が行う。

 

 

【コンサルタントプロフィール】

和田一男
(株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント)
北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年)

DATE : 2018/11/06

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