【人事管理】年5日の年休取得事例
2019年4月から年次有給休暇(以下は有休といいます。)の年5日の時季指定が義務付けられます。
従業員が有休を取得したい日を5日以上申し出ていれば、使用者が取得する日を指定する必要はありませんし、事業主が時季指定をすることで従業員が自由に使用できる日数が減って支障がでることもあります。
現状の取得状況を把握して、改正後にどう対応をしていくかを判断することになります。
厚生労働はリーフレット「年5日の年次有給休暇の確実な取得」(2018.12月)を公表しています。事例をいくつか取り上げたいと思います。
1. 自主的な取得を推進する
有休を付与する1年間の初めの日(基準日)に、年間や四半期別、月別等の期間で個人ごとの取得計画表を作成し、取得予定日を職場内で共有することで、取得時期を調整しやすくします。
これまでにもゴールデンウイークや夏の期間に5日間を取得することを推奨するなどの目的で、こうした有休計画表を作って、取得を推進してきた企業は多いと思いますので、計画表で取得を推進する方法は比較的取り入れやすいと思います。今後は、年間を通して取得計画を職場内で宣言してもらうことで、より取得しやすい風土ができることが期待できます。
2. 取得日が少ない人には時季を指定する
有休計画表を使って自主的に計画取得を促すようにしても、取得する日が5日に満たない従業員が何割かいると思います。その従業員には、基準日から半年などの一定期間が過ぎたところで、事業主から有休の時期指定を行うことになろうかと思います。
その際には、労働者が希望する取得日があれば聞き入れるようにします。
職場によって、定期的な繁忙期があると思いますので、繁忙期を避けて取得できるように余裕をもって、取得が進んでいない従業員と時季指定の相談をするように計画を立てることが円滑にすすめるポイントだと考えます。
3. 年次有給休暇の計画的付与を活用
計画的付与とは、労使協定をして、事業場単位・職場単位・グループ単位・個人単位で計画的に取得する日をあらかじめ決めておく方法です。各従業員の付与日から5日を除いた残りの日数を計画的付与にできます。
生産計画や取引先の都合によっては、夏季や年末年始に事業所単位で年休を計画的に付与して、大型連休にすることをすでに実施されている企業もあります。
しかしこれまでに、事業所単位で年休を付与すると事業運営に支障があるなどの理由で、計画的付与を行ってこなかった場合は、有休付与計画表による個人別付与方式を導入する検討してみてはどうでしょうか。
例えば、アニバーサリー休暇として年休を計画的付与することも一案です。従業員の誕生日や結婚記念日、子供の誕生日などは、あらかじめ日が決まっているので、3日間程度の個人別付与方式で計画的付与する方法として運用がしやすい例です。
詳しくは厚生労働省のリーフレットをご参照願います。
年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf
【コンサルタントプロフィール】
DATE : 2019/02/26